一般社団法人 #この指とめよう は定期的に透明性レポートを出してください

概要

一般社団法人 #この指とめよう は定期的に、何を誹謗中傷と考え、何を正当な批判と判断したかの透明性レポートを定期的に出してください。誹謗中傷と正当な批判をジャッジする能力は権力の源泉です。自らの正当性を示すためには、自らの判断基準に事前に示し、その判断の結果を定期的に報告することが大事です。

目次

#この指とめよう の活動とは

この指とめようの活動はSNSにおける誹謗中傷を減らす目的で行われる活動だ。

2021年05月25日に設立された。プレスリリースはこちら。

SNS誹謗中傷に対して、啓発広告をリアルタイム配信。一般社団法人「この指とめよう」2021年5月25日設立。2025年までに被害半減へ。|一般社団法人 この指とめようのプレスリリース

また、twitterアカウントは、こちら。

一般社団法人この指とめよう (@yubitome) | Twitter

また、この指とめようの公式サイトはこちら。

一般社団法人 「この指とめよう」

誹謗中傷は何で誰が判断するのか?

前述のプレスリリースの中で、誹謗中傷に関して、次のような記載がある。

この場合のSNS誹謗中傷とは、差別一般(レイシズム・セクシズム・ルッキズム・エイジズム・障害者差別等)を主に想定しており、その中に含まれない誹謗中傷に類される事案については運営メンバー・アドバイザリーボードによる協議の上で定性的に最終判断を行います。

その判断の正当性は誰が担保するのか?

しかし、その判断が正当であったか、党派性やアドバイザリーボードもしくは判断者自身のバイアスによって歪められたものなのか?それを検証する手段については何も記載はない。 また、この指とめよう の公式サイトを見ても、その判断を正当であったか 検証したり、公表するといった記載は何も無い。

こちらのツイートにぶら下がったリプライは引用RTではその点で多くの批判が起こっている。

確かに、あるツイートが正当な批判で、あるツイートは誹謗中傷なのか見分けるのは難しい。 例えば、このヤフーの記事でも 

“3つの壁”SNS捜査の現実と課題 記者が解説(テレビ朝日系(ANN)) - Yahoo!ニュース

SNS捜査の3つの壁の一つとして、

ただ、誹謗中傷か、正当な主張かの線引きは判断が難しく、SNSの誹謗中傷と表現の自由のバランスを考えることも今後の課題だとしています。

という指摘をしている。

判断の正当性を示すこと

このツイートにたくさん批判が集まったが、その中でも恣意的な判断をすることへの警戒感はことのほか多かった。

この指とめようの活動は素晴らしいと思うので、判断の透明性、一貫性を示すために以下のことをやったら良いと考えます。

  • 誹謗中傷に、グレードを定め、それぞれのグレードで指標となる誹謗中傷を示すこと。(たとえば、死ねなどは 最も重いグレードとするなど)。
  • 定期的に、何が誹謗中傷にあたり、何が正当な主張に当たるか、事例をまとめた透明性レポートを公表すること
  • 判断基準を明示すること。その差異、権力者に対する暴言だからOKなどの二重基準は作らないこと
  • 何を誹謗中傷のtweetとして取り上げるかについて恣意的にならないように、第三者からのこのtweetは誹謗中傷に当たるか?という照会について返答すること

透明性レポートとはなにか?

透明性レポートはグーグルの例が有名ですが、自らの活動に関して(たとえばコンテンツの削除など)、自らがどの様な判断で、どの様に活動したかを記載したレポートになる。コンテンツの削除に見られるように、何を違反とするか、何を正当なものと判断するかは一つの大きな権力だ。それは誹謗中傷であっても変わらない。何を誹謗中傷をみなし、何を正統な批判とみなすか、ジャッジするものは権力の源泉である。

この指とめようもこの慣例に従い、透明性レポートを出してみてはいかがだろう?

透明性こそが正当性を担保する

誹謗中傷に関する話は、党派性が出やすい。判断に党派性が影響したり、アドバイザリーボード自身の偏見も反映されやすい。そのため、事前に基準を定め、どの様に判断を下したかを記録し公開するという透明なプロセスを経なければ、それは誹謗中傷を防ぐのではなく単に党派性の道具に落ちていく。