WAN労働争議に見る大学教員への眼差し

経緯

10年ほど前に ウィメンズ・アクション・ネットワーク(WAN)で労働争議が起こった。WANのウェッブマスターでシステム開発を取り仕切っていた遠山遠藤(tigrimpa)1氏の労働条件が改悪され、最終的に事務所は閉鎖になり、システムは外注になった。

細かい経緯は 争議の経過‐ウィメンズ・アクション・ネットワーク(WAN)の労働争議・まとめ <-こちらのサイトに載っている。

問題点

その過程で問題になったのはフェミニスト団体内部で起こる事務能力の軽視の問題と、大学専任教員の選民意識の問題だ。雇用者の雇用条件を引き下げるのに丁寧な対応を行わない。そのため、雇用者から反発を受ける。また、会の中心人物であった上野千鶴子2は、WAN争議に言及しなかった。シスターフッドを盾に、合意を得る努力をなおざりにするし、また、他者に説明責任を強いるのに自分たちは沈黙する。

山口氏の指摘

あと、これってWANの労働争議のときにでてきた、事務労働の軽視問題ともつながるな。

「これ」はなにか、分からないが、WANの労働争議のときに感じたのは事務労働への軽視だろう。 事務労働を軽視していたのは、中心を占めていた専任の大学教員ではなかろうか?

前述の山口氏のレポートに、WANオープニングイベントでもスピーカーは学者だったとある。 また、労働争議のあと、2010年5月に理事長と理事が退任したが、退任した理事長(牟田和恵)・副理事長(伊田(伊藤)久美子・古久保(冨山)さくら)はいずれも大学の常勤教員であった。

tigrimpa氏の大学専任教員への眼差し

tigrimpa氏は大学専任教員の体質について次のように指摘する。WAN争議の論点整理 (3) - precariato.info <- もとの指摘はこちら。発言を簡潔にするため言い切り口調にしているが、tigrimpa氏はすべて専任教員がそうだとは言っていない)。

  1. 大学専任教員は、自分が頭が良くて何でも知っていると思っている。
  2. 大学専任教員は、労働問題の実践について殆ど知らない。
  3. 大学専任教員は、自分の発言の非論理性や無知を自分より格下のものに指摘されたときに、それを受け入れることが出来ない。
  4. 理論と実践が乖離していても平気な人がいる.「進歩的」「社会派」の大学専任教員で,自分の本の中で書いていることと自分の足元の対応が異なる。
  5. 大学専任教員を取り囲む私達が大学専任教員にある種の期待を抱いており、上記のような教員がいることを受け入れづらい。

ウィメンズ・アクション・ネットワーク WAN労働争議の資料

twitterで 「WAN 労働争議」 で検索すると色々と推移がわかる。


  1. 遠藤(tigrimpa)氏と書くところを遠山氏と書いてしまいました。申し訳ないです。

  2. WANのオープニングイベントで、上野千鶴子は基調講演をしている。WANオープニングイベントに出て - ふぇみにすとの論考