コロナ報道に見る朝日新聞のジェンダー観

概要

朝日新聞の報道姿勢、男性の被害は男性個人の問題だが、女性の被害は社会問題だ。

男性のコロナ被害と女性のコロナ被害報道を比較する。

朝日新聞は、2021年10月09日に コロナ死者、50代以下の8割は男性 誰もが直面するリスクとは [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル という記事を書いた。 記事では有料部分で男性のジェンダーについて触れている。

ストレスの否認、男らしさの弊害指摘も

という章のなかで、

 伊藤公雄京都産業大学教授(ジェンダー社会学)は、社会に根強く残る男性像が起因するとみる。「強く、たくましくあることが求められ、感情の共有も苦手。健康に配慮しないで我慢するカルチャーがある。 それが男性を縛っている 」  幼少期にジェンダーの役割を押しつけられることの弊害も指摘する。料理や洗濯といった身の回りのことを女性よりも親に任せがちになることで、生活を管理する能力が低くなるからだ。就職して長時間労働が重なれば、外食やコンビニ飯に偏り、体を壊すリスクも出てくるという。 「『べきだ』をやめ、料理や洗濯に子どもの頃から関われるようにすることが必要。50代以上でも遅くない。生活の力を身につける中で、自分の身体にも目配りするようになるのではないか」(強調は著者)

と書いている。男性自身が自分を縛っており、社会と書いているが実質的に男性や男児の育児による自己責任・自助努力を求めるものだ。

一方、女性でコロナ感染者が増えたという話になると、それは社会の問題になる。

朝日新聞は、2022年05月22日に記事を書いた。

女性のコロナ感染、第6波で男性上回る 介護、保育…社会構造影響か:朝日新聞デジタル

自宅療養者増加も影響か 女性が家庭で看病

という章で次のように指摘する。

 京都大の落合恵美子教授(家族社会学)が今年3月に行った自宅療養者のアンケートで、「看病や身の回りの世話を最も中心的に担っていた人」は7割が女性。うち約3割は看病により自身も感染していた。厚労省の4月1日時点の感染場所の調査で、家庭で感染した女性は50・2%だが、男性は42・3%だったというデータもある。  落合さんは「家庭内でのケアの担い手は多くが女性。このような社会的な構造から、自宅療養の増加は女性の感染リスク上昇の一因になっていると考えられる」と話す。  武藤教授も「男性側も女性が置かれた状況に気づき、家事や育児などに参画してほしい。女性に配慮した感染対策が生まれるきっかけになってほしい」と話している。(強調は著者)

男性がコロナにかかったときは、

50代以上でも遅くない。生活の力を身につける中で、自分の身体にも目配りするようになるのではないか」

と自己責任による自助努力を要求するが、女性がコロナにかかると、

男性側も女性が置かれた状況に気づき、家事や育児などに参画してほしい。

と男性側に協力を求める。下の男性が女性の置かれた状況に気づきが正しいなら、上記男性の例、「生活を管理する能力が低くい」なら、その状況に女性が気づき協力してほしいでも良いは。 そのようには指摘せず男性は気づくべきだと主張する。

男性がコロナにかかる場合は自分でケアしろ。女性の場合は男性がケアしろ。という主張だ。